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今月の法話 2020/04/02

宗務所

「春眠落日遅」

春分も過ぎだんだんと温かくなってきました。山々に新芽の淡緑が映え、野生の動物も活発に動き回ります。しかしながら、こうも気候が良いとうららかな昼下がりはついつい眠気がします。ふと軒先にひなたぼっこをしている猫を見かけることがあるかも。

猫はよく寝るので「寝子」と洒落て読んだりもしますが、寝る事は本来とても重要な生理現象で、現代生理学では睡眠中に大脳で受容した刺激、記憶の整理、統括が行われているといいます。またホルモンが分泌されて体を作り直す、調子を整える時間でもあります。

人生の三分の一は寝て過ごすわけです。自分のあずかり知らぬ時間が三分の一もある、すごいことですね。

修行道場では寝ている時も修行と教えられます。寝相は右腕を軽く曲げて右脇を下に横に寝るという形です。これもまた最初は窮屈ですが段々となれてきます。

 好きな格好で眠る動物を眺めると自由そうだなと心が和みます。世間が大変なときにも素知らぬ顔で眠る姿に私たちは気がつくところがあるのかもしれません。

 こんなあたたかい時節に昼寝をすることが贅沢な瞬間かもしれませんね。一眠り寝て起きても暮れるには日は長くなってきた。そう感じれる心の余裕です。