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お知らせ 2020/09/01

宗務所

9月の法話「助けあいでつながっている社会」

9月の法話「助けあいでつながっている社会」

暑さも少し落ち着く九月、依然新型コロナウィルスのニュースを聞かない日はありません。
 先日、お檀家さんお宅へおまいりに伺いました折に、
「マスクをしながら登校する子ども達は汗を沢山かきながら歩いていますね。まだまだ暑さが残るので熱中症が心配ですね。」
とお話ししましたところ、小学生のお子さんを持つご両親から一言いただきました。
『今年は夏休みも短縮になってしまい、子ども達も残念に思っています。ですが年年猛暑が厳しくなる中、うちの子が通ってる小学校にエアコンが昨年秋に完備されましたので助かっております。』
 それを受けて
「実はうちのお寺の檀家さんがそのエアコンを設置する会社に勤めておられて、お子さんの小学校だけでなく全校下小学校を回られていたんですよ。秋に納期があるので夏休み中、汗だくになりながら配備されているうちに体重がどんどん減っていってたいへんだったんですよ。」
とお話ししましたところ、その奥さんは
 『そうだったんですか。うちの子が安心して授業が受けられるのも、その方のお陰様だったんですね。どうかお会いしましたらよろしくお伝えください。』
と仰られました。
 私はその整備職人さんに数日後会うことが出来たのでその旨お伝えしますと、
「仕事だから当たり前のことをしただけですよ。」
と笑いながら言葉を返してくださいました。
 修証義の第四章に
“舟を置き橋を渡すも布施の檀度(だんど)なり、治生(ちしょう)産業固より布施に非ざること無し。”
とあります。意訳しますと、社会の仕事としてあらゆる産業にはげむのも元々は布施の気持ちと変わらない助けあいの心なのです。という意味合いです。
大変な中でも心次第で人間関係は築いていける。そんな気がいたしました。
今月は秋分の日、お彼岸があります。ちょうど昼と夜の長さが同じ一日を挟んだ一週間。偏らずに心をリセットして見つめ直すにはよい時節。 どうぞ、一歩一歩を大事にすすめていけますように。