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お知らせ 2021/03/01

宗務所

3月の法話 「~相承~ 總持寺開創700年に思う」

3月法話

「~相承~ 總持寺開創700年に思う」

寒暖差が大きく体調を崩しやすい気候が続いております。皆さま、お変わりなくお過ごしでしょうか。お檀家さんと話しておりますと、普段からマスク着用や手洗いを徹底し、人混みを避けているので例年より風邪やインフルエンザには罹りにくくなっているのだそうで、悪いことばかりではないのかもしれません。

 さて、今年は總持寺開創700年にあたる年であります。總持寺は永平寺と並ぶ曹洞宗の本山であり、瑩山禅師(けいざんぜんじ)によって開かれました。その後およそ100年前の大火で焼失し、横浜市鶴見への移転を経て門前では總持寺祖院として復興しました。その祖院も平成19年3月25日の能登沖地震で被災し、長らく修繕の工事を行っておりました。そして、開創700年にあたる今年、その全ての復興工事を成し遂げ、今年4月6日に落慶を迎えることとなりました。地震被害から復興までに尽力された方々の想いと労力を思うと、誠に畏敬の念に堪えません。

「相承(そうじょう)」という言葉に表されるように、瑩山禅師の仏の教えは弟子である峨山禅師(がさんぜんじ)、またその弟子達によって代々受け継がれ、広まっていきました。開創から度重なる大火や災害を受けながらも復興を遂げてきた總持寺は瑩山禅師の御教えの象徴でもあります。
 地元、輪島市門前町の住民の方々も、震災による被害は計り知れないものがあり、安全の確保や生活基盤を戻すことで精一杯の状況にありました。しかし、自身の生活の再興と同じくらい總持寺祖院復興に取り組む住民の皆様の姿に、法を継ぎ伝えていくことで自分のみならず、多くの人々を安心させ救いたいという瑩山禅師の教えの根付きを感じさせられました。

 開創700年、あるいはその遥か昔からある大きな流れのなかに存在している小さな私たちも、よりよい未来を築くために何を受け継ぎ、伝えていくべきなのかを、改めて考えさせられる節目の年となります。

皆様もこの機会に復興した總持寺祖院に足を運び、瑩山禅師からその弟子たちへ仏の教えを相承する場である修行道場としての歴史ある伽藍を伺いみてはいかがでしょうか。

令和3年 大本山總持寺開創700年法要の概要 | 大本山總持寺祖院 (noto-soin.jp)