この度、令和6年能登半島地震で被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
令和6年1月1日午後4時6分に石川県能登半島を震源とする震度5強の地震の後、午後4時10分に震度7の地震があり、以降1週間の間に震度5強の地震が7回も観測され、家屋倒壊や土砂災害、津波、火災などにより、死者が200人を超えるなど甚大な被害が発生しました。
曹洞宗の県内寺院では、能登地区の5教区から8教区寺院(71ヵ寺)では震度6または震度7、加賀地区の1教区から4教区寺院(63ヵ寺)では震度5強の揺れに見舞われ、ほとんどの寺院で甚大な被害がありました。
曹洞宗石川県宗務所では、電話にて被害状況の確認をしましたが、特に能登地区の寺院とは電話やメールでの通信に障害があったことや、道路が地割れの為に寸断されて行き来が出来ず、状況の把握ができない状態が続きました。1月6日に現地対策本部を設置し、まずは人命の確認を最優先とし、通信のつながる時に確認を続け、1月8日に住職と家族全員の無事が確認されました。それ以降、曹洞宗宗務庁や県内外の宗門各種機関、団体との連繋とご支援を頂きながら、支援物資を輪島市や珠洲市などの各避難所に届けることや炊き出し活動に従事しています。平行して各寺院の被災状況の把握に努め、加賀地区の1教区から4教区の寺院は、各教区長が直接各寺院へ赴き、被害の確認は出来ましたが、被害が甚大と予想された能登地区の5教区から8教区寺院については急遽、建築士に調査をお願いし、1月22日と23日、2月9日と10日、24日の5日間で調査を実施しました。今回、現段階で確認出来た被災状況をホームページ内各ページにてご報告申し上げます。
現状では、県内寺院134ヵ寺のうち、112ヵ寺で本堂や庫裡、山門などの建物被害があり、特に5教区から8教区までの能登地区の寺院において被害が甚大な状況です。県全体として本堂・庫裡が全壊した寺院は20件、半壊以上の寺院が31件あり、今後の復旧については見通しも立っていない状況です。被害の大きい寺院の住職や家族の大半は、地域の避難所や金沢市内にて避難生活をし、日中は寺院の片付け作業や避難所の手伝いをしています。
能登半島では2007年3月25日輪島市、七尾市、穴水町にて震度6強、さらに2020年から群発地震が活発になり、珠洲市にて2021年9月16日震度5弱、2022年6月19日震度6弱、2023年5月5日震度6強の地震が続き、その度、築数百年を経ている本堂等の建物の修繕、耐震工事を重ねてきましたが、今回の地震の被害により二重、三重被災が事態をより深刻にしています。また金沢市内の一部の寺院では土地の液状化の影響で居住することが出来ない状況もあります。能登地区では未だに電気や水が使用できない状況もあり、地域の方々や檀信徒、住職家族の生活や健康維持の為の支援が最も必要となっています。